債務整理

カードローンの債務整理はできる?

お金とクレジットカードと通帳

カードローンが返済できず、悩んでいませんか?

カードローンによる借り入れでも債務整理は可能です。

カードローンの返済に悩んでいる方は債務整理で支払いが減らせるかもしれません。

カードローンと消費者金融の違いや債務整理するメリットや注意点などをわかりやすく紹介していきます。

この記事をまとめると
  • カードローンでも債務整理は可能
  • カードローンにおける消費者金融との違い:保証会社が付いている、過払い金が発生しない
  • カードローンの債務整理をするメリット:利息を減らせる、毎月の支払いを減らせる
  • カードローンの債務整理をする注意点:代位弁済が済むまで口座が使用不可、分割回数を増やせない可能性がある、2社以上カードローンを利用している場合は保証会社に注意、新規のカードローンが約5年間組めなくなる

カードローンでも債務整理は可能

カードローンの債務整理の内容

カードローンによる借り入れでも、債務整理はできます。

カードローンにおける債務整理の主な内容は以下の2つです。

  • 利息分の支払いを無くす
  • 月々の支払いを減らす

カードローンの債務整理はできないと思われがちです。

しかし実は債務整理で支払いの総額を減らすことができ、メリットもあります。

それではカードローンの債務整理について詳しく見ていきましょう。

 

カードローンと消費者金融における債務整理の違い

返済計画

カードローンには保証会社が付いている

カードローンの債務整理の場合、返済の相手は銀行やカード会社ではありません。

銀行やカード会社に付いている保証会社に対して返済を行います。

カードローンを組む銀行やカード会社は、消費者金融と異なり保証会社が付いています。

文字通り、返済が遅れた時にお金の保証をする会社です。

債務整理を開始すると保証会社が債務者に代わり、銀行やカード会社へカードローンの返済を行います。

これを「代位弁済(だいいべんさい)」といいます。

この時に債権者は、銀行やカード会社から保証会社へと移るのです。

 

銀行カードローンなら過払い金が発生しない

銀行カードローンの債務整理をする場合、過払い金は発生しません。

なぜなら過払い金は「グレーゾーン金利」と呼ばれる、高い金利での取引があった時に発生するものだからです。

「グレーゾーン金利」とは、利息制限法の上限における15%~20%よりも高い利息を指します。

これは2010年以前の消費者金融において、問題となりました。

当然、銀行は常に法定金利を順守しています。

そのため銀行カードローンで債務整理を行っても、過払い金が発生することはありません。

 

カードローンの債務整理をするメリット

メリット

利息分の返済額を減らせる

カードローンの債務整理を行うと、総支払額の中から利息分の支払いをカットできます。

利息といえど、借り入れ額によっては相当な金額です。

銀行の場合、金利は消費者金融よりも低く設定されています。

利息率は借入額が50万円なら14.5%~15%、100万円なら約12%です。

例えば100万円を12%の利息で借り入れしたとしましょう。

毎月の返済額は2万円と仮定します。

すると返済までには70ヶ月、つまり5年と10ヶ月を要します。

2万円を5年と10ヶ月払い続けると、支払いの総額は140万円です。

元の借入額100万円に対し、利息が40万円という計算になります。

債務整理ではこうした利息をカットすることができます。

結果的に返済の総額も減らすこととなり、大きなメリットが得られます。

 

毎月のカードローンの支払いを減らせる可能性がある

債務整理ではカードローンの利息分の支払いをカットできます。

つまり、総支払額が減るということです。

となると、月々の支払いも減らせる可能性があります。

例えば利息込みで140万円だった支払額を、債務整理で合計100万円にできます。

これを月で割り返すことにより、毎月の支払額が減らせます。

さらに、分割支払いの期間を伸ばすこともできます。

債務整理後の返済スケジュールは、3~5年での返済が一般的です。

返済期間を伸ばすことで、1月あたりの返済額を減らすこともできます。

 

カードローンにおける債務整理の注意点

ポイント保証会社による代位弁済が済むまで口座が使用できない

カードローンの債務整理を始めると、口座が一時的に凍結されてしまいます。

これは債務整理開始から、保証会社が代位弁済を済ませるまでの期間です。

凍結期間は銀行やカード会社により異なりますが、目安は1~3ヶ月程度とされています。

この間は、口座からお金を引き出すことも、預けることもできません。

また口座にお金が入っている場合は、残高を返済額と相殺されてしまいます。

 

そのため、債務整理を始める前に以下の3点は必ず準備しておきましょう。

  • 口座の残高は全て引き出して、0にしておく。
  • 給与が振り込まれる口座の場合は、債務整理の前に別の銀行に振込先を変更しておく
  • 債務整理中に使う口座が他に無い場合は、他銀行で口座を開設する

 

ちなみに給与振り込み口座の変更は、別の銀行にする必要があります。

同じ銀行の、別の支店では意味がありません。

債務整理の通知は、これらをすべて完了してから出すようにしましょう。

 

分割回数を増やせない可能性がある

場合によっては、分割回数が増やせない場合もあります。

それは3~5年、もしくはそれよりも長い返済計画を組んでいた場合です。

その場合は分割回数を増やすことはできません。

当初よりも分割回数が減ると、それだけ毎月の返済額が増えることになります。

このようにカードローンの債務整理は、毎月の負担が増えるケースもあります。

債務整理を始める前に弁護士に相談し、支払いのシミュレーションをしましょう。

 

2社以上のカードローンを利用している場合は保証会社に注意

2社以上のカードローンを利用している場合は注意が必要です。

自分の利用する2社が、銀行またはカード会社と保証会社という関係でないかを確認しましょう。

銀行も保証会社も、どちらもカードローンのサービスを提供していることがあります。

どちらのカードローンも利用している場合、片方だけ債務整理をすることはできません。

銀行カードローンの債務整理を始めると、保証会社によるカードローンもその手続きに巻き込まれてしまいます。

これについては事前に弁護士に相談して、債務整理をするかどうかを決定しましょう。

 

新規のカードローンが約5年間組めなくなる

債務整理を行うと約5年の間、新規のカードローンや住宅ローンが組めなくなります。

これは銀行やカード会社のブラックリストに載ってしまうためです。

債務整理直後に住宅ローンを組もうとしている方は注意しましょう。

ちなみに5年間という期間は、一般的な銀行やカード会社の目安です。

この期間を過ぎれば、再び借り入れが可能になります。

またこのブラックリストは債務整理を行った口座のある銀行やカード会社だけのデータです。

他の金融機関なら、問題なくローンを組むこともできます。

まとめ

カードローンによる借り入れでも債務整理は可能です。

債務整理をすることによって、利息が減り、毎月の返済が軽減されますが、新規のカードローンが5年間組めなくなるなどそれに伴ったデメリットももちろんあります。

また、銀行と保証会社どちらのカードローンも利用している場合、片方だけ債務整理をすることはできないので、債務整理の申請を行う前にきちんと確認を行うようにしてください。

しっかりとデメリット・注意点を理解した上で、債務整理を行うことが大切です。