債務整理

債務整理後に滞納するとどうなるのか? 対処法はある?

差し押さえ

債務整理をしたけど、滞納してしまいそう…

債務整理後の返済に悩んでいませんか?

債務整理をしても、なんらかの事情で返済できなくなることもありますよね。

この記事では債務整理後に滞納してしまうとどうなるのか、対処法を紹介していきます。

任意整理、個人再生それぞれの手続きで滞納してしまった場合に起こること、そうならないための対処法などを詳しく解説していきますので、滞納してしまう前に一度参考にしてみてください。

この記事をまとめると
  • 債務整理後に滞納すると強制執行される可能性がある
  • 任意整理後に延滞:2ヶ月以上滞納で残債務を一括請求される
  • 個人再生後に延滞:1回の滞納で再生計画自体が取り消される可能性がある
  • やむを得ない場合、個人再生の救済措置を利用できる

債務整理後に滞納すると強制執行もあり得る?

 結論から申し上げると、債務整理後に滞納すると債権者からの強制執行もあり得ます。

なぜなら、債務整理は一度債権者との間で債務者が支払可能な範囲を交渉し、取り決めた計画に基づいて支払っていくもので、原則として滞納することはあってはならないことだからです。

もっとも、何らかの理由によって支払が厳しくなることもあるでしょう。

そこで債務整理のうち、支払が予定されている任意整理と個人再生で滞納した場合どうなるのか説明します。

 

任意整理後に延滞した場合

 任意整理の場合、債権者との間で交わした“和解”に従って返済を進めていきますが、1カ月延滞と2カ月以上延滞とで債権者の対応が大きく変わります。

1カ月延滞の場合

 1カ月延滞の場合には簡単な延滞通知ないし連絡にとどまります。このような場合にはすぐに延滞解消に向けて動きましょう。

2カ月以上延滞の場合

 多くの和解では“支払を2カ月以上怠った場合には期限の利益が喪失する“旨の期限の利益喪失条項を定めています。

そのため、任意整理後、2カ月延滞すると残債務を一括で請求されることとなります。

さらに延滞が重なると簡易訴訟や支払督促といった法的手段に訴えた請求がなされます。

そして、仮執行宣言付支払督促や判決が確定し、債権者が債務名義を取得した場合には強制執行(給与差押や口座差押)が実施されることになります。

もっとも、このような督促は任意整理を依頼した弁護士が直接対応することとなることがほとんどですので、弁護士の指示に従いましょう。

もし、債権者と交渉して支払が厳しい事情を理解してくれる債権者であれば、再和解にも応じてくれる可能性があります。

 

個人再生後に延滞した場合

再生計画が取り消される可能性がある

 個人再生では、再生計画通りに支払が実行されない場合には、たとえ1回の滞納であっても債権者の申立てにより再生計画自体が取り消される可能性があります。

ただし、再生計画の取消しは債権者の申立てによりますので、悪質な滞納でないことを債権者が理解してくれれば待ってくれる可能性も十分にあります。

強制執行の可能性

 個人再生の場合であっても債権者による強制執行の可能性は否定できません。

もっとも、個人再生の場合も任意整理と同じく、債権者は債務名義を取得していない状態ですので、一度簡易訴訟や支払督促手続が挟まることになります。

 

滞納した場合の対処法

サポート債務整理後に滞納を放置していると遅かれ早かれ強制執行が実行されてしまいますが、早期から対応することにより最悪の状況を回避できることも意外と多いです。

任意整理の場合と個人再生の場合とでどのような対処法があるのか説明します。

 

任意整理時の対処法

すぐに支払う

 まずは任意整理するにあたって債権者との間で取り決めた和解条項のうち“期限の利益喪失条項”を確認し、期限の利益喪失前であればすぐに支払いましょう。

弁護士に相談する

 支払が困難であるという事情が分かっている場合には任意整理を依頼している弁護士へすぐに相談しましょう。

弁護士が債権者との間で支払について交渉することで再和解しやすくなります。また、今後の支払の見通しが立てられない場合には自己破産や個人再生へスムーズに移行することもできます。

 

個人再生時の対処法

すぐに支払う

 個人再生であっても任意整理の場合と同じく、まず「単に支払を忘れていた」という場合にはすぐに滞納した金額を支払いましょう。

債権者としても滞納後に即再生計画の取消しを裁判所に申し立てるというのは本意ではない場合がほとんどです。

よほどの事情がない限り、滞納した分を支払うことで問題なく解決するでしょう。

 

個人再生の救済措置を検討する

再生計画の変更

 再生計画の認可当初と状況が変わり、再生計画通りの返済が困難となった場合には、裁判所へ申し立てることで再生計画を変更することができます。

ただし、再生計画を変更するためには、“やむを得ない理由があること”に加え、“再生計画の遂行が著しく困難であること”が条件となります。

「やむを得ない理由」が何を指すのかは個々の事情により判断されることとなりますが、少なくとも、自己都合で会社を辞職した場合や、ショッピングなどでの浪費により支払が困難となったような場合には「やむを得ない理由」に該当しません。

再生計画の変更が認められると、当初の再生計画の最終期限から最長2年の範囲で延長することもできますので、返済の負担が大きく軽減されます。

ハードシップ免責の申立

 もし、再生計画の4分の3以上の返済が済んでおり、返済が困難という場合には、裁判所にハードシップ免責の申立をすることも考えられます。

ハードシップ免責が認められると残債務について免責され、借金を気にせずに生活を立て直すこともできます。

弁護士に相談する

弁護士再生計画の変更もハードシップ免責も裁判所に認められるためには厳しい条件があります。

専門的な知識も必要となってきますので、費用が掛かることになりますが、どのように考えたらよいかわからないという方は弁護士に相談するというのが問題解決の近道となります。

まとめ

債務整理は債務者が返済のできる範囲を設定し、支払いを行っていくものであるため、通常支払いができなくなることはほぼありませんが、何らかの理由によって支払いが厳しくなる可能性はありますよね。

その際に滞納し、返済を放置するのではなく、早期的に対処することが大切です。

債務整理後に滞納すると債権者からの強制執行もあり得ます。

滞納する前に弁護士に相談することをお勧めします。