債務整理で借金が減額されたから、生活費は確保できるけど、子供の教育費まで払う余裕がない…
とお悩みではないですか?
教育無償化が進んでいるとはいえ、全ての教育費用が無償ということではなく、大学を卒業するまでにかかる費用は決して安いものではないですよね。
親としては子どもになるべく良い教育を受けさせてあげたいと思うものですが、親が債務整理をした場合に、教育ローンを利用することやその他の方法で教育費用を確保することは可能なのでしょうか。
この記事では親が債務整理をしている場合、教育ローンは受けられるのか、受けられない場合の対処法について詳しく解説していきます。
- 債務整理をした人が教育ローンを受けることは難しい
- 対処法:債務整理をしていない人から教育ローンを申し込む、信用力のある連帯保証人を立てる、奨学金を利用する
債務整理をした人が教育ローンを受けることは難しい
債務整理とは、借金などの債務を減額・免除したり、返済期限を延ばしたりして整理をすることを言いますが、大きく分けて、任意整理・個人再生・自己破産・特定調停の4種類の手続きがあります。
基本的にこのような債務整理を行うと、いわゆる「ブラックリストに載る」という状態になります。
金融機関やクレジットカード会社などは、個人の信用情報(借金やクレジットカードの利用状況など)を管理している信用情報機関に加盟しており、融資やカード発行を行う際には必ずこの信用情報を確認します。
債務整理を行うということは、お金を貸した側としては、貸したお金がきちんと返ってこないという非常事態であるため、債務整理を行ったという事実は、信用情報に事故情報として記録され、これが「ブラックリストに載っている」状態です。
ブラックリストに載ると、融資を受けることやクレジットカードを発行することが5~10年程度はできなくなってしまいます。
よって、融資の一つである教育ローンについても、債務整理をしてすぐの人が申し込んだ場合には断られてしまう可能性が非常に高いのです。
なお、債務整理の詳細については下記の記事をご覧ください。
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教育ローンとは?
教育ローンとは、子どもの授業料や入学金などの教育費用を賄うためにその親などがお金を借りることができるローン制度です。
教育ローンには、民間の銀行などが提供しているものと、国が提供しているものがあります。
国が提供している教育ローンは、日本政策金融公庫が提供しているもので、基本的なケースですと、子ども一人上限350万円、利息は年1.70%の固定金利、返済期限は最長15年となっており、民間の教育ローンやその他融資と比べて、かなりの好条件でお金を借りることができます。
債務整理をした際に、教育ローンや教育費用支援を受けるためには?
債務整理をしていない人から教育ローンを申し込む
債務整理をした場合には、その人がブラックリストに載るだけで、配偶者やその他の親族の信用情報には影響がありません。
もし、両親のうちどちらかだけが債務整理をしたのであれば、もう一方の親が教育ローンを申し込むことはできます(その他教育ローンの利用条件に該当する必要はあります)。
また、もし母子/父子家庭など、債務整理をしていない親がいない場合には、親族が申し込みを行うという手段も考えられます。
国の教育ローン申込者の要件は、6親等内の親族、配偶者及び3親等内の姻族となっていますので、対象となる子どもの祖父祖母や叔父叔母などの方も申し込むことができます。
また、ブラックリストに載る期間は5~10年程度ですので、それ以降の期間については、債務整理をした方も教育ローンを申し込むことが可能です。
信用力のある連帯保証人を立てる
教育ローンを申し込む際には、連帯保証人を立てるか、保証機関を利用して保証を行う必要があります。
ブラックリストに載っている場合には、基本的に教育ローンを受けることはできないと上述しましたが、可能性がOというわけではありません。
債務整理をして数年程度であっても教育ローンを受けることができたというケースもあるため、個々の事案によって判断されているようです。
とはいえ、債務整理から間もない状態で融資が下りる可能性は低いと言わざるを得ないため、必ずローンを返済できるという証明をする必要があります。
その際に有効な手段の一つが、信用力の高い連帯保証人を立てることです。
安定した収入のある連帯保証人を立て、申込人本人の信用力の欠如を補えることを説明することで、教育ローン融資が下りる可能性をあげることが可能です。
奨学金を利用する
教育費用を補てんするという観点では、教育ローンではなく奨学金を利用することも選択肢になります。
奨学金は、費用が必要となる子ども自身が申し込むものですので、親が債務整理をした事実は関係ありません。
日本学生支援機構が提供する奨学金には、貸与型と給付型のものがあり、それぞれの種類も多岐に渡ります。
学業成績などの選考基準はありますが、基準を満たせば返済不要の奨学金もありますので、家計の大きな助けになります。
一点注意すべき点が連帯保証人です。
教育ローンと同様に、基本的には奨学金も連帯保証人を立てる必要があり、ブラックリストに載っている方は連帯保証人として認められない可能性が高いのです。
一般的には親を連帯保証人にすることが多いですが、親が債務整理をしているような場合には、その他親族などの方を連帯保証人にする必要があります。
まとめ
債務整理をしている場合、教育ローンを受けることはかなり難しいと言えますが、信用力のある連帯保証人を立てることで借りれる可能性はあります。
それ以外にも6親等内の親族、配偶者及び3親等内の姻族であれば、教育ローンを申請することは可能です。
教育ローン以外にも奨学金などの方法も視野に入れながら、教育費を確保する方法を検討してみてください。