債務整理

債務整理で使う委任状とは?書式は?

委任状

債務整理を弁護士にお願いしたら、委任状の提出を求められた!

委任状って何?

どんな風に書けばいいの? とお悩みの方必見です。

委任状の作成によって、本人以外の第三者が手続きを行えるようになるので、委任状をきちんと理解し、慎重に確認することが必要になります。

今回は委任状とは何か?債務整理においての委任状の役割と決まった書式があるのかを解説していきます。

 

この記事をまとめると
  • 委任状とは「自分の代わりに何かをする権限を第三者に与えるという意思表示をする書類」
  • 手続きを本人の代わりに行うために委任状が必要になる
  • 委任状には決まった書式はない

 

委任状の役割

契約書を確認する人

なぜ委任状が必要か

 委任状とは、「自分の代わりに何かをする権限を第三者に与えるという意思表示をする書類」です。 

債務整理は、法律に基づいて借金を減額することで、たいていの場合、多くの人がその手続きを専門家にゆだねます。

債務整理に関する手続きは、その多くがとても難しいものですが、弁護士または司法書士といった法律の専門家なら、容易にスムーズに行うことができます。

しかしどんな手続きも債務者の許可が必要になります。例え弁護士または司法書士でも、債務者の許可なく勝手に行うことはできないのです。

債務者本人が、「この弁護士または司法書士に手続きを委任した」という事実がなくてはなりません。

債務整理の手続きに関する委任の事実を証明する書類が委任状です。

最近では個人情報保護の観点から、難しい専門的な手続きだけでなく「誰かの代わりに何かをする」場合には、委任状の提出を求められる場面が増えていて、委任状が身近になっています。

家族の戸籍謄本をとる、家族の銀行口座を作る、携帯電話の支払いを配偶者名義にまとめる等々、家族間での様々な手続きの際も、委任状の提出を求められることがあります。

本人の了解なく勝手に手続きされることを確実に防ぐために、間違いなく「本人が記名してある人に、このことを委任した」つまり本人が確実に了解したと証明する必要があるのです。

ただ言い換えれば、委任状があればどんな手続きでも本人の代わりに行うことができるということです。

ですから、慎重にかつ確実に確認することはとても大切になります。

 

債務整理での委任状の役割

 委任状は第三者が本人に代わって手続きをする権限を与えられ、なおかつ本人が了承していることを証明する書類です。

債務整理の場合、弁護士または司法書士は債務者、債権者に対して第三者という立場になります。

債務整理をする人、つまり債務者が、本人に代わって債務整理を行う権限を、専門家である弁護士または司法書士に委任することを委任契約といいます。

委任状には、このような委任契約を示す役割もあります。

弁護士または司法書士は、この委任契約をもって正式に債務者の代理人になり、そこから受任通知を発行することができます。

受任通知をもって債権者からの督促を止め、和解のための交渉に入るなど実際の債務整理の手続きに入ることができるのです。

また委任状には、第三者を明確にする効力もあります。

〇〇弁護士会の〇〇弁護士が、確実に債務者の代理人であると明確に示すことで、他の人が勝手に手続きを行うことを防ぐことができます。

 

委任状の書式は自由?

契約書にサインするビジネスマン決まった書式はない

 委任状には、こうでなければならないという決まった書式はありません。

パソコンで作成しなければならない、手書きではダメなどの体裁も決まっていません。

白紙に殴り書きなどのような、極端な形式でもそれは問われません。

大切なのは、そこに委任状として必要なことが記載されているかどうかです。

委任状に必要なことは以下の5点です。

  1. 委任をする人(債務整理をする債務者本人)の氏名、住所の記載と印鑑の押印
  2. 委任される人(代理人となる弁護士または司法書士)の氏名、所属の弁護士会または司法書士会の名称または所属事務所名
  3. 任意整理の相手方名または管轄裁判所名(債務整理の内容によって、金融機関への交渉や裁判所への申し立て、またはその両方等になるため)
  4. 委任する行動の範囲(債務整理の際に行われる具体的な行動)
  5. 委任する日付

以上が記載されてあることで、どんな形式でも正式な委任状となるのです。

この5点があることで、債務者も代理人も、この人以外該当しないことが証明されるのです。

 

用意された書式に記入することが多い

 委任状は効力のある書類です。

債務整理をする場合に、委任を証明するためにとても重要です。

その性質や記入に必要な事項を十分に調べたからといって、自分で用意するにはやはり不安があります。

債務整理を専門家に依頼すると、たいていは代理人となる弁護士または司法書士側が、あらかじめその書式を用意してくれます。

ですから、債務者本人が委任状を一から作成する必要はありません。

本人、つまり委任する人の記入欄に、記名捺印したものを渡して委任契約とするのが一般的です。

 

まとめ

委任状は、債務整理をする場合において最初の段階で署名する大事な書類です。

この委任状をもって、代理人となった弁護士または司法書士が債務者に代わって債務整理をする手続きを始めることができます。

たいてい弁護士または司法書士が用意してくれますから、それに記名捺印をするだけですが、どんなことが書かれているか、何に対して委任をするのか、認識しておくことは大切です。

法律用語が並んでいるなど大変な面もありますが、代理人となる弁護士または司法書士との信頼関係のためにも、そして自身が納得して債務整理にのぞむためにも、ぜひ一読してから署名するようにしたいものです。