債務整理

債務整理の和解とは?流れと決めること

和解

債務整理の和解って何?

債務整理をしたいけど、手続き方法がたくさんありすぎて全然わからない!という方必見です。

この記事では債務整理(任意整理)の和解について流れから内容まで詳しく紹介していきます。

債務整理の和解についてしっかりと理解して、自分に本当にあっている手続き方法なのか考えてみてください。

 

この記事をまとめると
  • 和解とは:特定の債権者との間で取り決めるリスケジューリングのこと
  • 弁護士に相談(状況説明→方針を決める)→弁護士が依頼を受任(受任通知の送付→債務額の調査)→和解交渉(債務総額の確定→過払金返還交渉)
  • 和解内容:支払い義務、弁済方法、期限の利益喪失条項、債権債務の不存在

任意整理の和解

 債務整理には任意整理・民事再生・自己破産とありますが、民事再生と自己破産は裁判所を通した手続ですので、ここでは任意整理の和解について説明します。

任意整理の和解とは、減額交渉などもありますが、大まかに言ってしまうと特定の債権者との間で取り決める書換(リスケジューリング)のことです。

任意整理の流れと決めること

プランはAかBかどっち任意整理をするにあたって債権者との交渉は避けられません。

弁護士や司法書士に依頼しなくても任意整理をすることは可能ですが、実際には債権者がまともに交渉に取り合ってくれないなどハードルが高いため、今回は弁護士や司法書士に依頼することを前提とした任意整理の流れを説明します。

以下、相談先として弁護士と表記しておりますが、司法書士と読み替えてもらっても構いません。

弁護士へ相談する

弁護士に現在の状況を説明する

 弁護士に債務整理を検討するに至った経緯や現状の債務について正直に話します。

明確に事情を相談しておくことにより、弁護士が最善の対応を提案するために必要となりますので、正直に包み隠さずに相談するようにしましょう。

弁護士には守秘義務が課せられているため、どんな内容であっても相談者の情報が外に漏れることはありませんので安心して話してください。

大まかな方針を決める

 弁護士が相談内容から事情を把握することができれば今後の方針について提案があります。

任意整理を希望していても弁護士から個人再生や自己破産の提案がされることがありますので、希望と異なる場合にはその理由をしっかりと確認しましょう。

弁護士が依頼を受任する

 債務者が弁護士からの提案に納得できれば弁護士に任意整理を依頼します。

委任状が用意されますので、署名をすることで正式に委任契約が成立します。

弁護士から債権者へ受任通知を送付する

 債務者から債務整理の依頼を受任した弁護士は債権者に対して受任通知を送付します。

受任通知には、“以後、債務者やその家族への直接の取立てや連絡はやめて担当弁護士へ連絡する”ように求める旨の記載がありますので、当面の間は債権者からの督促がストップされます。

債権届により債務額を調査

 受任通知の中には弁護士が債務者の総債務を把握するために各債権者に対して債権届の提出を求めます。

債権者から届けられた債権に基づき総債務が確定されます。

債権者との和解交渉

握手

債務総額の確定

 和解を結ぶには債務金額を確定させなければなりません。

そこで、弁護士は債権者との間で債務金額を確定させる交渉をします。

債権者としては債権の償却との関係で元本自体の減額に応じてくれるところは現実的に少ないところですが、他方で返済してほしいという思いもあります。

そこで、債務金額の減額は、主に将来にわたる利息の免除と遅延損害金の減額ということになります。

過払金の返還交渉

 債務の調査の中で既に完済した債務であっても払いすぎた利息が判明した場合には、払いすぎた利息を返還してもらうように交渉してもらえます(過払金請求)。

和解内容

 和解

 債権者との交渉が無事にまとまると正式に和解が成立します。和解では主に次の内容が取り決められることとなります。

支払義務

 債務者が債権者に対して“いくら支払義務があるのか”を明らかにした条項が定められます。

和解金の総額を確認したい場合はこの条項で確認しましょう。

弁済方法

 次に、和解金をどのように弁済するのかの条項が置かれます。

案件により様々ですが、5年以内の分割払いが定められています。

和解の大きなメリットの1つは、債務者が返済していける金額に支払計画を組みなおすことができる点です。

ですので、和解成立時には、弁済方法が返済可能な内容となっているかどうかを確認しましょう。

和解後に延滞した場合、債権者の取立てはこれまでの対応とは変わり、法的手段に訴える可能性が非常に高くなりますので期日通りの返済を心がけましょう。

期限の利益喪失条項

 期限の利益を喪失すると残債務額全額の一括請求がされてしまいます。

大多数の和解には、“支払を2回以上怠った場合に期限の利益を喪失する”か“延滞額が〇〇円以上となったときに期限の利益を喪失する”旨の期限の利益喪失条項が置かれています。

債権債務の不存在(清算条項)

 和解で取り決めた金銭の支払以外に金銭を請求されないために定められる規定です。

和解後の金銭トラブルを予防する意外と重要な条項ですのでしっかり確認しておきましょう。

 以上が和解で決められる主な和解条項となります。あくまで主な和解条項にすぎませんので、個別の案件によりその他にも和解条項が設けされることがあります。

和解に即した返済

 和解内容に誤りがないことを確認すれば、あとは和解の支払方法の通りに返済していきます。

多少延滞したとしても期限の利益が喪失しない限り一括請求されることはありませんが、債権者からの信用を失ってしまいますので、和解内容の通りに返済をしましょう。

まとめ

債務整理の和解とは、特定の債権者との間で取り決めるリスケジューリングのことです。

債務整理の和解は基本的に個人でも行うことは可能ですが、弁護士や司法書士に相談した方が、スムーズに確実に行うことができます。

和解後は必ず返済計画通りに返済を行うようにしましょう。