生活保護を受けたいけど、借金があるからと悩んでいませんか?
借金があっても生活保護は受給できるのか、その生活保護で借金を返済することは可能なのか、詳しく解説していきます。
この記事では生活保護を受けるための条件や受給のためにやるべきこと、生活保護中の借金についても解説しています。
生活するためのお金もなく、借金にも追われているという方は是非一度、この記事を参考にしてみてください。
- 生活保護受給に借金の有無は問われない
- 生活保護受給条件:収入が極端に少ない、財産がない、お金を支援してくれる人がいない
- 生活保護費での借金返済はNG
- 生活保護受給中に借金はできない
- 生活保護は差し押さえられない
借金がある人も生活保護は受給可能
生活保護を受給する条件
借金がある場合でも、生活保護を受給することはできます。
生活保護を受ける条件は以下の通りです。
- 最低水準の生活を営めないほど収入が少ない、または無収入
- 行政の手当があっても収入が足りない
- お金になる財産がほぼない
- お金を支援してくれる人がいない
生活保護はあくまで「国の定める最低水準の生活費」を保証するもの。
つまり生活保護を受けるには、とにかくお金がないことが条件です。
借金をしているかどうかは、条件に含まれません。
そのため借金があっても、生活保護の受給は可能です。
生活保護を受給する前にやること
ただし、生活保護を受給する前にはやるべきことがあります。
それは以下の通りです。
- 働いて収入を得る
- 資産があれば活用する
- 行政の制度を活用する(年金や補助金など)
- 親や親族からお金を支援してもらう
これらを全てをやっても、なお収入が足りなければ生活保護を受けられます。
生活保護費での借金返済はNG
生活保護に借金返済の費用は含まれない
生活保護で受け取れるお金の内訳は以下の通りです。
- 水道光熱費や食費などの生活費
- 家賃
- 医療や介護サービスにかかる費用
- 就職に必要な費用(資格取得にかかるお金など)
- 義務教育に必要な費用(学習用品のお金など)
- 冠婚葬祭にかかる費用
生活保護では上記にあたるお金を支援します。
この中に借金の返済にあてる費用は含まれていません。
生活保護はあくまで「国の定める最低水準の生活費」を保証するもの。
そのため、生活保護で借金を返済することは難しいといえます。
隠れて借金返済するのもNG
こっそりと生活保護費を借金返済に充てるのもNGです。
生活保護費を借金返済に使っていることは、すぐにばれてしまいます。
そしてペナルティが課されるので注意が必要です。
生活保護を管轄しているのは福祉事務所という組織です。
福祉事務所は、受給者の銀行口座などお金周りを調査できます。
そのためこっそり生活保護費を借金返済にあてようとしても、すぐにばれてしまうのです。
生活保護で借金を返済していることがばれると、不正受給とみなされます。
これにはあらゆるペナルティが課されます。
例えば、生活保護支給の打ち切りなど。
借金を返済するだけの余裕があると見なされ、生活保護が受け取れなくなります。
さらに、返済にあてた金額を一括で回収される場合も。
より生活が苦しい状況になってしまいます。
場合によっては割増された金額の支払いや、罰金を命じられることもあります。
このように生活保護費で借金を返すのは、非常にリスクの大きい行為です。
最終的にはすぐにばれてペナルティが課されるので、やめましょう。
新しい借金もNG
生活保護を受けながら、新しい借金はできません。
借金は「収入」とみなされ、生活保護が打ち切りになる可能性が高いからです。
例えば100万円の借金をしたら、100万円の収入を得たとみなされます。
もちろん、自分に入るお金の動きは福祉事務所も把握しています。
つまりこっそり借金をすることはできません。
また当然ながら、借金を借金で返すと利息ばかりが膨らむのでおすすめしません。
生活保護は差し押さえられない
生活保護費は人が生きるために最低限必要なお金です。
債権者が生活保護費を差し押さえるのは、法律で禁止されています。
これはいくら借金があっても関係ありません。
そのため生活保護費は、安心して生活にあてることができます。
しかしその一方で、借金がなくなるわけではありません。
債権者の督促や、請求書が来なくなることはないでしょう。
では生活保護を受けながらの借金はどうすればよいのでしょうか。
生活保護を受ける前に債務整理を
債務整理で借金がなくなる場合も
生活保護を受けながら、借金を返済することはできません。
そのため生活保護を受ける前に、債務整理をしておきましょう。
債務整理は借金を減額、またはゼロにする手続きです。
債務整理の中でも、生活保護を受けるならおすすめなのが自己破産。
自己破産の手続きをとれば、借金をゼロにすることができます。
手続き後には借金のない状態に戻り、生活保護を受けながら生活を立て直せます。
また任意整理や個人再生という手続きをとると、借金は減額されます。
単純に利息だけをカットする減額から、最大9割の減額まで可能です。
ただし借金が減額されたとしても、返済には収入が必要です。
無論、生活保護費での返済は不正受給とみなされます。
そのため生活保護を受ける前提なら、自己破産で借金を一度ゼロにするとよいでしょう。
生活保護を受けるなら自己破産のデメリットも問題なし
自己破産にはデメリットも存在します。
それは以下の通りです。
- 財産を全て手放すことになる
- 新しい借り入れやクレジットカードの申し込みができなくなる
- 数か月間一定の職業に就けない
- 官報に氏名と住所が載る
財産の整理や、借り入れができないのは、生活保護の受給においても同様です。
職業に制限があったとしても、生活保護費で生活ができるので問題ありません。
そのため生活保護を受けるなら、このような自己破産のデメリットも気にする必要はないといえます。
ちなみに自己破産をすると官報に個人情報が掲載されます。
しかし官報で個人情報が広く流出することはありません。
一般の人もめったに読まない情報誌なので、そこまで心配はないでしょう。
まとめ
国民は「国の定める最低水準の生活」を保証されているため、条件に当てはまる人は誰でも生活保護を受給することができます。
借金返済に充てることはできませんが、生活保護費を差し押さえられることもないため、安心して生活に充てることができます。
生活保護により、生活は保証されますが、借金がなくなるわけではありません。
借金がどうしても返せないという場合は債務整理を弁護士に相談してみることをお勧めします。