債務整理を申請する前にやっておきたいことや知っておくべきことはある?
債務整理を検討されている方は、申請をする前に心の準備をしておきたいですよね。
債務整理は、返済額が減額や免除できるなど、借金の返済に苦しんでいる方にとっては生活を立て直すために必要な手続きですが、それに伴ったデメリットがあることを知っておかなければなりません。
この記事では債務整理をする前に知っておきたいこと、確認しておきたいことを詳しく紹介していきます。
債務整理をする前に一度確認してみてください。
- 借金の状態を把握する(何社、借入額、残債額、返済期間、利率など)
- おまとめローンとリスケを検討する
- 過払い金を調べる
債務整理をするべきなのか
債務整理で生活を再建する
債務整理は、借金の返済で混乱した生活を立て直す手段です。
債務整理をすると、人生の落伍者になったように思う人がいますが、そうではありません。
その後の人生をよりよく歩むための権利なのです。
どの手続きが適切かは、債務の件数や額によって違います。
また債務整理をすることに、まったくリスクがないというわけではありません。
しかし、収入と借入額とのバランスが崩れて返済が滞れるなら、思い切って債務整理を考えてみるべきです。
債務整理の前に確認すること
債務整理は借金の問題を解決する有効な手段の一つですが、同時にデメリットもあります。
借入先の件数・額、収入の状況によっては、それ以外の方法がある場合もあります。
一度検討してみましょう。
まず、今現在の状態を正確に把握する必要があります。
- 何社からいくらの借り入れがあるか
- 一社ずつ、いつから借りて、残債はいくらか
- 過去に完済したことがあるか返済期間、利率等はどうなっているか
を整理しておきます。
おまとめローンとリスケ
金融機関によっては、「おまとめローン」を推奨しているところもあります。
借入先が複数になると、利子も複数になり振込手数料もかさんでしまいます。
借入先を一社にまとめることによって、金利額を下げ、振込手数料や振り込みの手間を減らすことができます。
しかし、おまとめローンも借り入れには違いなく、当然審査があります。
元の借り入れが多くて審査が通らない、またおまとめローンに借り換えたことで返済期間が長くなるということも考えられます。
住宅ローンなど返済が長期間にわたる場合、返済の期間や額を見直す「リスケジュール(リスケ)」に応じてくれる場合があります。
一時的な延滞の場合など、金融機関に相談してみるのも有効な方法です。
過払い金を調べる
近年よく耳にする「過払い金請求」ですが、自分の借金に対して過払い金があるかを調べることはとても大切です。
過払い金は、完済済みの場合だけでなく、現在返済中の場合にも発生することがあります。
過払い金が戻ってきたら、それを返済に回して元金を減らすことも。借入金より過払い金のほうが多いこともあり得ます。
過払い金があるかは、弁護士に依頼すると無料で調べてくれます。また過払い金請求の手続きをしても信用情報には影響しません。
債務整理のメリットとデメリット
手続きによる違い
任意整理の場合
任意整理を行うには、「継続して安定した収入があるか」がポイントになります。
公共料金や税金、生活費を差し引いても、返済できるだけの収入ということです。
専業主婦(主夫)は配偶者に同様の収入があることが必要です。
また債務の中で、任意整理したいものだけを選んで行うこともできます。
弁護士が債権者と交渉、和解すると、たいていは債務者にとって無理のない返済額や期間に収まります。
これによって、債務者は、確実に元金を返済することができるようになります。
しかし、返済が滞れば債権者が裁判を起こし、給与や財産を差し押さえられることも。
もっとも大きなデメリットは、信用情報に影響することです。
任意整理そのものが信用情報に登録されるので、最低でも5~10年はクレジットカードの発行や信販を利用したショッピングなどが難しくなります。
個人再生の場合
個人再生は、裁判所を通して行われるもので、その名の通り今後の生活の再建を最も大きな目的としたものになります。
しかし、整理する債務を選べる任意整理と違い、すべての債務が対象になります。
ただし、住宅ローンについては除外し、持ち家として残すことができます、
住宅ローンを除く借金が5千万円以下であることや会社員、パートなど、毎月の収入が安定してあることなどの条件もありますが、裁判所に提出する再生計画案が認められると、最大90%の減額が可能になります。
また返済を3~5年でできれば、減額された額は免除されます。
最も大きなデメリットとしては、信用情報機関に登録されることです。
これにより最低でも5年以上はクレジットカードやローンを組むなどの審査を通るのは難しいでしょう。
同時に、国家の公告文書である「官報」に記載されます。
ただ官報は一般の人が目にすることはほとんどありません
自己破産の場合
任意整理や個人再生の条件にあてはまらず、今後返済の見通しが難しい場合は、自己破産を選択することになります。
自己破産の場合、住宅や車など一定の財産を処分しなければなりません。
ただし家具や家電、99万円以下の現金など、生活に必要なものは残すことができます。
また、手続き中は職業の制限が発生します。弁護士、税理士、警察官、警備人など一定の職業には就けない、また停職しなければなりません。
そして最も大切なのは、借金そのものがギャンブルや浪費などの場合、「免責不許可事由」といって、手続きそのものができない可能性があります。
信用情報への登録、官報への公告も個人再生と同様になります。
きちんと理解したいデメリット
このように様々な手続きをすることによるデメリットはあります。
中には噂のように、間違った情報を信じてしまうこともあるでしょう。
よく、「選挙権がなくなる」ということを聞きますが、これは大きな間違い。
選挙権が国民が等しく有する権利であって、債務整理は権利をはく奪するためのものではありません。
また、債務整理をすることによってご家族への影響が心配です。
債務整理のどの手続きも、ご家族が連帯保証人などになっていなければ、影響はありません。
もちろん、ご家族の信用情報等に影響があることは、まったくありません。
怖がらずに弁護士に相談を
専門の知識を持った弁護士に相談することで、より確実に、スムーズに手続きができます。
確かに相応のデメリットはあります。
不便だと思うこともあるでしょう。
しかし、どんなことも借金問題を放置しておいていい理由にはなりません。
一刻も早く解決し、ご自身のを。そして周りの人を幸せにしてください。
まとめ
債務整理とは、借金も問題を解決するための有効な手段ですが、それに伴うデメリットも存在するため、債務整理だけでなく、おまとめローンやリスケ、過払い金など、他の手段も検討されてから、手続きをすることをお勧めします。
債務整理を行う前に自身の借金の状態をきちんと把握し、デメリットや他の選択肢を知った上で行っていくことが大切です。
まずは自分自身で判断せずに弁護士など専門家に相談してみましょう。